海外社員への取り組み

グローバルな人材市場で競争力を高めるため、WILL GROUP Asia Pacificは社員の学びと成長を支援する「WILLアカデミー」を展開しています。従業員サーベイで寄せられた「学習機会の拡充」という声を起点に、エンゲージメント向上とブランドを越えた知見共有を目的として設立されました。全社員対象の「Voices of WILLセッション」、次世代リーダー育成プログラム、新入社員向けオンボーディング、そしてメンタリングプログラムなど、キャリアステージに応じた多様な学びの場を提供しています。社員の声から始まり、一人ひとりの可能性を引き出す取り組みについて紹介します。

Andrea McDonald

ヒーローブランドとチームメンバーのポテンシャルを引き出す

We unlock the full potential of our hero brands amd team members

Andrea McDonald

WILL GROUP Asia Pacific Pte. Ltd.

学びと成長の機会を創出し、キャリア形成を支援

グローバルな人材市場で競争力を維持し、持続的な成長を実現するためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠です。WILL GROUP Asia Pacific(以下、WAP)では、社員一人ひとりの学びと成長を支援し、キャリア形成を後押しするために「WILLアカデミー」を設立しました。この取り組みは、トップダウンで導入されたものではなく、社員の声に耳を傾けることから始まった点に大きな特徴があります。WAPでは全社を対象とした従業員サーベイ「Voice of Workforce」を定期的に実施していますが、その中で特に多く寄せられた意見の一つが「学習機会をさらに拡充してほしい」というものでした。私たちはその声を真摯に受け止め、エンゲージメントとパフォーマンスの向上、そしてブランドを越えたベストプラクティス共有を目的に、学びと成長のための共通基盤としてWILLアカデミーを立ち上げたのです。

多様なセッションによる成長支援

WILLアカデミーには多様なセッションが用意されており、社員のニーズやキャリアステージに応じて参加できるよう設計されています。代表的なものの一つが、3か月に一度実施している「Voices of WILLセッション」です。このセッションは全社員を対象にオンライン形式で開催され、毎回200~250名の社員が視聴しています。外部の専門家や社内のエキスパートを招き、業界動向や最新のスキル開発、リーダーシップなど、幅広いテーマについて講義を行います。セッションは録画されてイントラネットに掲載されているため、社員は自分のタイミングで繰り返し視聴することができ、継続的な学びを支援しています。Voices of WILLは単なる研修機会にとどまらず、ブランドや部門、さらには国境を越えた交流の場として機能し、社員同士が刺激し合いながら学び合う文化を育んでいます。

加えて、次世代リーダーの育成を目的とした「Voice of WILL Leadershipセッション」も展開しています。約100名のリーダーやリーダー候補が参加するこのプログラムでは、リーダーシップスキルの向上や戦略的思考の醸成に重点を置いています。将来のWAPを牽引する人材を育てることは、組織にとって極めて重要なテーマであり、参加者は自身のリーダーシップを磨くだけでなく、より高い視座で事業を捉える力を養っています。このセッションを通じて、現場の課題解決に直結するスキルと、中長期的な経営視点を兼ね備えた人材が着実に育ちつつあります。
新入社員向けには「オンボーディングセッション」も実施しています。WAPは複数のブランドから構成されるグループであり、新入社員にとって全体像を理解することは容易ではありません。そこで、WAPの歴史や文化、各ブランドの特徴や戦略を体系的に学ぶ機会を提供しています。毎月10~15名が参加し、早い段階で「自分はWAPの一員である」というアイデンティティを形成することに役立っています。オンボーディングを経た社員は、自信を持って業務に取り組み、より早く成果を発揮できるようになっています。

メンタリングプログラムによる相互学習

これらのセッションに加え、WILLアカデミーの大きな柱の一つとして位置づけられているのが「メンタリングプログラム」です。これは9か月間にわたって実施される長期プログラムで、異なるブランドの社員同士がペアを組み、月に一度の対話を通じて互いに学び合います。メンターは傾聴力やコーチングスキルを磨き、メンティーはキャリア形成の方向性を整理しながら前進することができます。さらに、3か月ごとに実施するスキルアップセッションによって学びの効果を高め、参加者同士のネットワーク形成にもつなげています。

プログラム参加者からは「自身の成長に大きくつながった」「普段関わらないブランドの仲間と深く交流できた」という声が多く寄せられており、キャリア開発機会の満足度向上だけでなく、ブランド間の相互理解や協力体制の強化にも大きく貢献しています。こうしたWILLアカデミーの多様な取り組みを通じて、社員一人ひとりが主体的に学び、成長できる環境が整備されています。実際にエンゲージメントサーベイの結果にも改善が表れており、「キャリア開発の機会が増えた」と回答する社員が着実に増加しています。学びの機会が整っていることは、WAPへの理解や帰属意識を高めるだけでなく、社員の長期的なキャリア形成を支える基盤にもなっています。

インナーコミュニケーションから生まれる一体感

WAPでは、効果的なインナーコミュニケーションが組織の一体感と社員のエンゲージメント向上に不可欠であると考えています。その考えを具現化するため、私たちは「ヒーローブランドとチームメンバーのポテンシャルを引き出す(We unlock the full potential of our hero brands and team members)」というパーパスを策定しました。このパーパスは単なるスローガンではなく、各ブランドのCEOやマーケティングリーダーと共に、自社の独自パーパスを分析し、全ブランドに共通する価値観や方向性を抽出するプロセスを経て導き出されたものです。この過程を通じて、WAP全体の方向性を再確認するとともに、社員一人ひとりが日々の業務で拠り所とできる指針を得ることができました。

このメッセージを社員に浸透させるために、社内報やイントラネット、タウンホールミーティングなど複数のチャネルを活用しています。実際の取り組み事例や成功体験を共有することで、抽象的な言葉を具体的な行動に結びつける工夫を重ねています。その結果、ブランドや部門を越えた共通言語が形成され、協力関係がより強固なものとなっています。社員は自らの仕事をWAP全体のパーパスと関連づけて考えるようになり、組織全体としての一体感が高まっています。

さらに、一体感を高めるもう一つの仕組みとして「社員表彰制度」を設けています。年間を通じて卓越した成果を上げた個人やチームを表彰する「Circle of Excellence」は、業績、イノベーション、リーダーシップといった多角的な観点から評価される最高の栄誉です。受賞者はWAPのトップランナーとして全社的に称えられ、その存在が組織のロールモデルとなっています。一方で、日々の小さな成功や素晴らしい行動を毎月評価する「WOW」も実施しています。リーダーシップチームが「Wow!」と感じた行動を選び、受賞者にはデジタル表彰状とギフトカードを贈呈します。長期的な挑戦を支える「Circle of Excellence」と、日々の努力を可視化する「WOW」の両輪によって、社員一人ひとりの努力を正しく評価する文化が醸成され、エンゲージメントの向上に寄与しています。
こうしたインナーコミュニケーションの強化と表彰制度の定着により、社員のモチベーションは高まり、WAP全体の一体感が一層強まっています。今後も社員の声に耳を傾けながら、組織文化を進化させ、ヒーローブランドとチームメンバーの可能性を最大限に引き出すことを目指してまいります。

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