価値創造事例「挑戦機会の提供」

古泉 玲

株式会社ウィルオブ・コンストラクション
技術本部 キャリア開発部
2021年新卒入社

建設業界のイメージを変えるため
自らキャリアを描けるウィルグループに入社

私は2021年にウィルグループのグループ会社であるウィルオブ・コンストラクション(以下、ウィルオブ)に新卒入社し、約1年半の建設現場での就業を経て、2022年9月にウィルオブのキャリアチェンジ制度を使って今の部署に異動してきました。現在は主に中途社員の教育研修を担当しています。

もともと私が建設業界に興味を持ったのは、高校時代の授業がきっかけです。一般教養科目のほかに専門科目を学べる高校に通っていて、私は工学を専攻していました。毎日つなぎを着て旋盤を回したり、溶接をしたりして、ものづくりの楽しさを知りました。

大学では自分自身の別の可能性も探ろうと心理学部に入りましたが、大学3年になり就職活動で、好きなものづくりの道へ行きたいなと思いました。同級生たちがIT系、美容系、デザイン系といった業界を選ぶ中、私が建設業界を志望していると伝えると、「なんで建設なの? 女性なのに大丈夫?」と心配されました。でも私からすると、「なんでそう思われるんだろう。そういう業界のイメージを変える存在になりたい」と思ったのがこの業界を志した理由です。

建設会社ではなく、ウィルオブに入社したのは、私のキャリアパスにフィットすると感じたためです。建設業のイメージを変えるには、まずは現場を知り、ゆくゆくは建設業について発信する側に立つ必要があると考えていました。採用面接で社長からウィルオブとしてキャリアチェンジ制度を設計中だと聞いて、私が思い描くキャリアを選んで成長していけそうだと思ったのが入社の決め手となりました。

女性×未経験の
不安を一掃
会社の手厚い
ダブルフォロー体制

入社後は技術社員として工務店の木造の戸建てを建てる現場で3カ月、その後は鉄筋コンクリート造のマンションや都立高校を建設する現場で1年3カ月ほど就業しました。最初の現場は、その会社で女性が活躍するためには何が必要なのかを確認する意味もあったようで、私が就業できたことで、女性でも施工管理ができると証明されてその後の採用につながったようです。次の現場は、実家から通いやすい場所にあり、新入社員でも働き続けられるようにとの配慮がありました。

建設業界は男性社会で女性が働きづらいというイメージが一般的だと思いますが、実際に現場へ行ってみると、確かに男性は多いですが、別に男性社会ではないと感じました。女性が少ない分、周りから気遣ってもらえたり、女性ならではの細かい気付きやスキルを評価してもらえたりしたのはうれしかったです。

また、この業界では人材の定着率が問題となりますが、私が定着できたのには、大きな要因が2つあります。一つは同期とのつながりです。ウィルオブでは入社後の1か月間は対面で研修を行います。同期の約9割が建設系以外の学部出身の未経験者なので、そこで一人じゃないという安心感を得ることができ、相談し合ったり遊んだり、公私の垣根を越えて仲が深まりました。もう一つは働く環境の良さです。現場では分からないことは聞けば教えてもらえましたし、何か不安そうにしていたら率先して声をかけてもらえました。現場以外でもウィルオブ社員のサポートもあり、未経験で不安な中、とても心強かったです。

ウィルオブとして特徴的なのは、主には新卒の技術社員に対して、ダブルフォロー体制があることです。まず、技術部のキャリアマネージャーが現場と技術社員の間に入り、現場で働く人をサポートしています。これに加えて、キャリア開発部の定着チームが毎月サーベイを実施し、その回答を基に面談や電話相談を実施しています。新卒社員に対しては、年2回ほど同期を集めて継続研修も実施しています。私が技術社員として働いていた時もキャリアマネージャーだけでは不安が解消されず困ったことがありましたが、定着チームに助けてもらいました。こうした手厚いオンボーディングの仕組みがあることもウィルオブの魅力だと思います。

同じ会社に長く勤めながら
新しいキャリアに挑戦できる環境

ウィルオブのキャリアチェンジ制度は、毎回決まった職種の募集があるわけではなく頻度も不定期ですが、偶然にも私の希望するキャリア開発部の研修担当の公募があり、今しかないと思って応募しました。

この制度のメリットは、同じ会社に勤めながら複数のキャリアを積めることだと思っています。キャリアの考え方はライフステージによって変わります。転職という選択肢もありますが、同じ会社で異なるキャリアを選択できるのは大きいと感じます。入社後1年を経過している社員であれば誰でも応募できるため、皆積極的に活用しています。また、この制度とは別に、ウィルグループ全体でもチャレンジ公募制度というグループ横断の制度もあり、会社を越えたチャレンジの機会も用意されています。

キャリア開発部にはサポート対象が新卒中心の定着チームと、中途中心の教育チームがあり、私は教育チームで研修を担当しています。業界未経験の中途社員に対して、PCスキルやビジネスマナー、CADや建設業の基礎知識などの導入研修を実施していて、私自身が現場で経験した業務や施工管理とはどんな仕事なのかなどを説明しています。

中途社員も大半が未経験なので、専門用語をかみ砕いて説明するのはもちろん、不安を払拭できるよう努めています。私も入社当時、導入研修を受けて現場に出ましたが、正直なところ3割程度しか理解できていませんでした。それでも、何となく聞いたことがあるというだけでも少しは安心できましたし、分からないことは現場で聞いて勉強し、続けることができたので、「心配いらない。大丈夫だ」と伝えています。未経験の方に、最低限覚えておいてほしいことが分かるのは、現場での経験が活きていると感じます。また、建築施工管理技士や技士補などの資格取得を目指す人も多く、資格取得は目に見えるキャリアアップの一つなので、キャリア開発部もそれを推奨しています。

社員のキャリアパスを
本気で支援
ウィルグループが提供する
唯一無二の価値

ウィルオブの親会社であるウィルグループでは中期経営計画で「働く人をエキスパートにするキャリアパスの”最大化”と”最適化”」を掲げ、職のミスマッチの解消を図っています。私もキャリアチェンジ制度を活用し、将来に向けてキャリアパスを実現している一人です。こうした環境があるのは、社員にとって大きなモチベーションとなります。

当面の目標は、建設業界において女性がもっと働きやすい現場をつくることです。以前と比べれば、更衣室やトイレ、女性特有の体調の悩みなどの理解も進んでいますが、環境は不十分です。例えば更衣室はパーティションで区切っただけ、男女共同のトイレが多い、サニタリーボックスがない、男性上司の席が近いトイレには行きづらいなどの声があります。こうした問題解決は私一人では難しいので、営業担当と連携しながら現場が良くなるように働き掛けていきます。

また、私の経験は新卒の採用シーンでも活かせそうです。学生が採用面接を受ける前に不安を解消する機会がありますが、こういう仕事をするんだよと伝えていきたいです。

ウィルグループの魅力は、社員のやりたいことを本気で応援する環境や体制があることです。キャリアチェンジ制度やチャレンジ公募制度はまさにそう。社員にチャレンジする機会を提供し、上司や同期がそれを応援してくれて、異動する環境も整えてくれます。社長や上司との距離も近いと感じます。

私は入社してから今まで1度も「仕事が嫌だな」と感じたことはありません。現場も楽しく、キャリア開発部に異動してからもやりたい仕事ができています。これは本気で社員のキャリアを考えるウィルグループだからこその強みだと思います。