中期経営計画「WILL-being 2026」の解説
中期経営計画「WILL-being 2026」の進捗状況
経営目標修正の背景
本中計の公表から1年が経過しましたが、最も注力している国内Working 事業の建設技術者領域では、新卒を含む未経験者の採用が順調に推移しており、2025年3月期での黒字化が確実なものになってきました。また、外国人雇用支援については計画に遅れがあったものの、前第3四半期以降、四半期ベースの計画に近い実績が上がっており、徐々に改善の傾向にあります。一方で、建設技術者領域以外の正社員派遣、既存の有期派遣ともに稼働人数の積み上げに苦戦しており、国内Working事業の売上収益は横ばいで推移しています。海外Working事業においても、ポストコロナの急激な人材需要が一巡して以降、主要顧客の採用抑制が長期化しており、先行き不透明な状況が続いています。 また、事業ポートフォリオの見直しを積極的に進め、本中計に織り込んでいなかった上場子会社株式等の売却を行ったため、2025年3月期より当該子会社の利益がはく落する予定であり、本中計策定時点で想定していた前提から乖離した状態となっています。 このような状況において、2026年3月期の経営目標の達成に拘るあまり、無理な利益の捻出や将来の成長に繋がる投資の抑制など、持続的な成長のための経営判断が阻害されることを防ぐため、本中計で掲げた経営目標のうち、売上収益、営業利益及び営業利益率を取り下げるとともに、KPIを合理的な水準に修正し、KPIの達成を優先して追求することとしました。なお、本中計の基本方針並びに3つの重点戦略目標については修正せず、引き続き持続的な成長の実現に向けて取り組んでまいります。
基本方針
当社グループの持続的な成長の実現に向けては、停滞している国内Working事業の再成長が重要となります。そのため、国内Working事業の再成長を基本方針とし、再成長に向けた先行投資を積極的に行い、本中計期間で利益体質を変えて、将来の飛躍的な成長を実現できる基盤を確立します。
策定当初の中期経営計画については、コーポレートサイトをご覧ください。
経営目標・KPI
戦略の推進を最大化させるマネジメントにシフトし、2026年3月期以降の飛躍フェーズの実現を目指すために、以下のKPI目標の達成を優先して追求します。
2023年3月期実績 | 2024年3月期実績 | 2026年3月期 目標(修正前) |
2026年3月期 目標(修正後) |
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目標 | 売上利益 | 1,439 億円 | 1,382 億円 | 1,700 億円 | - |
営業利益 | 53.1 億円 | 45.2 億円 | 65.0 億円 | - | |
営業利益率 | 3.7% | 3.3% | 3.8% | - | |
KPI | 正社員派遣採用人数/年 (建設技術者領域) |
1,022 名 | 1,424 名 | 2,000 名 | 1,500 名 |
正社員派遣定着率 (建設技術者領域) |
71.3% | 71.2% | 73.0% | 71.5% | |
正社員派遣稼働人数 (国内W(建設技術者領域 を除く)) |
2,791 名 | 3,254 名 | 4,700 名 | 3,500 名 | |
外国人雇用支援人数(国内W) | 1,750 名 | 2,341 名 | 6,800 名 | 3,500 名 | |
人材紹介売上比率(海外W) | 13.5% | 11.6% | 17.0% | - |
※修正後の目標のうち「-」としている項目については、四半期ごとの実績を開示します。
※正社員派遣稼働人数(国内W(建設技術者領域を除く))には、セールスアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域、ITエンジニア領域に加え、コールセンターアウトソーシング領域、介護領域を含めて表示しています。
重点戦略及び初年度の状況
戦略Ⅰ 建設技術者領域の更なる拡大及び利益創出を実現
概要
建設技術者領域の生産性向上に取り組むことで2025年3月期に黒字化、2026年3月期に事業の柱の1つにしていきます。
初年度の状況
建設技術者領域の更なる成長、収益化を実現
新卒を含む未経験採用が順調、FY2025の黒字化は確実
戦略Ⅱ 国内Working事業(建設技術者領域を除く)の再成長
概要
外国人雇用支援、正社員派遣の拡大に取り組みます。外国人雇用支援の拡大は、営業人員の増加により新規オーダー獲得を強化するとともに、現地での採用については、現地の法人、学校等のアライアンスを強化します。正社員派遣の拡大については、建設技術者領域、セールスアウトソーシング領域で培った採用ノウハウを、ファクトリーアウトソーシング領域にも展開していきます。また、今後採用環境が一層厳しくなることを見据え、自社ブランド強化に向けたブランドプロモーションを実施します。
初年度の状況
正社員派遣人数の積み上げに苦戦
外国人雇用支援は計画に遅れも徐々に回復傾向
戦略Ⅲ 海外Working事業の安定した成長
概要
シンガポール、オーストラリアともに、ポストコロナの急激な人材需要が一巡して以降、主要顧客による採用抑制が長期化しており、人材紹介市場の見通しは不透明な状況です。このような状況のもと、優秀なコンサルタント人員を確保しながら、需要回復後の人材紹介売上の拡大に取り組むとともに、ダウンサイドリスクを抑え、事業の安定性を高めるために、行政等の安定した領域における人材派遣売上の増加、コストコントロール、ガバナンスの強化に取り組みます。
初年度の状況
人材派遣、人材紹介ともに、市況の低迷が長期化
TOPIC 「WILL OF(ウィルオブ)」 プロモーションの成果
国内Working事業で展開する「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、タレントを起用した地上波TVCMを関東・中京・関西・福岡・沖縄エリアで実施。併せて、YouTube等のインターネット広告配信を実施。
キャッシュアロケーション方針
オーガニック成長における販管費の増額、M&A等における投資枠の設定を最優先としています。余力がある場合は、自己株式取得を業績進捗に応じて都度検討していきます。
株主還元方針
本中期経営計画の1年目、2年目は2023年3月期と比較すると減益の見通しです。この状況を勘案し、本中期経営計画における株主還元方針は、累進配当(減配を原則実施せず、増配または維持)、かつ総還元性向30%以上としています。