価値創造事例
「はたらく機会の提供」
人権尊重の取り組み
国籍に捉われない活躍の機会を創出
私たちは多様な文化を受け入れ、国籍に捉われず活躍できる機会をつくり続けていくことで、人と企業の発展や成長に貢献していくことを目指しています。外国人を雇用する人材派遣会社としてだけではなく、外国人を雇用する企業を支援する立場として、雇用を通じた自己実現の支援と共に、外国人と共生する豊かなまちづくり、母国への貢献などに寄与していきたいと考えています。
中期経営計画の重点戦略である外国人雇用支援を通じて、永住者・定住者・留学(資格外活動の許可)・特定技能の在留資格を保有した外国人と関わることが多くあります。当社のグループ会社である株式会社ウィルオブ・ワーク(以下、ウィルオブ)は、法務省の外局である出入国在留管理庁長官(略称:入管庁)より、特定技能外国人登録支援機関(登録番号:19登-000231)として認定を受けています。
そのため特定技能制度において、本来受け入れ企業で実施する必要のある出入国の送迎や住居の確保などの就業前のサポート、受入企業へ定期的に訪問し、職場や日常生活に関する相談への対応や行政機関への連絡などの就業後のサポートを実施しています。これらは当社グループの海外拠点と連携するなどして一気通貫のサービスを提供しており、日本語に不安のある外国人にも十分なサポートができるよう、同じ出身国の社員が同席するなどの対応をしています。また、社内表彰や資格取得支援など働きがいにつながるような制度の整備もしています。入国前の管理を強化するためにも、現地の送出機関と関わる際は政府認定の送出機関リストの中でも外国人就労者の評判が良い送出機関とのみ関わるなどの対策をし、不法滞在や不法就労などのリスクを最大限排除しています。
長年の人材ビジネスでの経験、外国人のサポートに長けた社員を強みとし、国籍による不平等が起きないよう、人権への配慮を怠らないよう、留意しながら事業活動を推進しています。
インドネシアとの
ZERO DEBT PROJECT
日本で働く外国人は年々増加傾向にありますが、内閣府の「人権擁護に関する世論調査」によると、「風習や習慣等の違いが受け入れられないこと」や「就職・職場で不利な扱いを受けること」などの人権問題が起きていると言われています。また、外国人就労者の不法就労や労働環境の悪さなど深刻な問題が様々なメディアで取り上げられています。さらに、技能実習制度や特定技能制度を通じて来日する外国人の中には、研修費用・入国手続き費用・渡航費用などによって多額の借金を負って来日する外国人も多く、金銭的な不安は社会問題となっています。
この社会問題を解決すべく、ウィルオブはインドネシアの北スラウェシ州と、雇用機会の創出および職業訓練の分野において包括的な協力関係を構築し、技能実習生や特定技能等に関する「ZERO DEBT PROJECT」の実現に向けた協定意向書を締結しました。日本の労働人口不足が深刻化する中で外国人労働者は不可欠になってきており、適正な受け入れを図ることは喫緊の課題となっています。インドネシア北スラウェシ州においては州内の就業率が低く、州政府としては国外で就業する州民の増加を目指しています。
本プロジェクトでは、北スラウェシ州政府は、求人に応募する州民に対し日本語教育および必要な専門教育を無償で提供することでZERO DEBT(借金ゼロ)での入国を実現し、金銭的な負担を軽減する座組を構築します。そして、当社グループは、本人が自律したキャリアを形成することのできる求人を提供し、入国後の就業や生活面に関する支援を行います。
当社グループが今まで培ってきた適正な外国人雇用支援のノウハウを活かし、日本国内の労働人口減少による人手不足の解消と、インドネシア人材の安定的な就労環境の整備を目指します。これからも人権尊重の理念を深化させ、すべてのステークホルダーとの対話を重ねながら、誰もが自分らしく活躍できる持続的な社会を実現していきます。
人権方針
当社グループが取り組むべき重点課題として「Well-beingの向上」を掲げており、当社グループと関わる働く人がWell-beingであること、つまり身体的・精神的・社会的に健康な状態であるためには、人権尊重の徹底は必要不可欠です。
性別、国籍、年齢、障がいなどに捉われず、すべての人の人権を確保し、サステナブル(持続可能)な社会の実現に貢献します。
1.国際規範の尊重
当社グループは、「国際人権章典」、「子供の権利とビジネス原則」、「労働における基本的原則および権利に関するILOの宣言」、および「ビジネスと人権に関する指導原則」等の人権に関する国際規範を支持、尊重します。そして、自らの事業活動に関わるあらゆるステークホルダーに対する差別、暴力行為、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント等の人権への負の影響の防止または軽減します。
2.差別※の禁止
当社グループは、性別、年齢、障がい、国籍、人種、性自認、宗教などを理由とした差別や人権を侵害する行為を行いません。差別のない誰もが働きやすい職場づくりを目指し、社員研修や相談・通報窓口の設置など、人権問題の未然防止や早期把握・解決します。
※差別とは、本人の能力・適性・成果など合理的な要素以外により、採用・昇進・報酬・研修受講などの機会や処遇に差を設けることをいいます。差別の要素としては、例えば、人種、民族、国籍、出身地域、皮膚の色、年齢、性別、性的指向、障がいの有無、宗教、政治的見解、組合加入の有無、配偶者の有無などがあります。また、健康診断や妊娠検査が機会均等または処遇における公平を損なう場合には、差別的行為とみなします。
3.労働組合を結成する自由と団体交渉権の支持に関する企業方針
当社グループは、現地の法律を遵守し、従業員が法令に従い労働組合を結成する権利や、これに加入する・しない権利、団体交渉する権利などを尊重し、これらの権利の行使を理由にいかなる差別も行いません。
4.賃金の適正化
当社グループは、各国・地域の定める法令に基づく最低賃金を超える水準の賃金を保証し、労働時間規制に抵触いたしません。