中期経営計画「WILL-being 2023」振り返り

全体振り返り

前中期経営計画のスタートである2020年3月期と比較すると、売上収益・営業利益ともに着実に成長しました。売上収益は、プラスの為替影響もあり達成したものの、営業利益は、国内Working領域の停滞により僅かに未達成の結果になりました。
重点戦略Ⅰ~Ⅲの「ポートフォリオシフトによる収益性の改善」「デジタルシフトによる生産性の改善」「次なる戦略投資領域の探索」においては、計画遅れや戦略変更などにより未達成となりましたが、重点戦略Ⅳの「財務戦略」においては、親会社所有者帰属持分比率が26.6%、総還元性向が31.2%と、達成の結果になりました。

重点戦略 内容 評価
戦略Ⅰ ポートフォリオシフトによる収益性の改善
  • Perm(人材紹介、専門性の高い領域への人材派遣)領域を拡大。特に、介護、建設技術者、スタートアップ人材支援領域にフォーカス。
(指標)
  • 戦略投資領域 = 売上成長率
  • 利益最大化領域 = 営業利益率
(戦略投資領域)
  • 建設:△(採用数は順調に拡大するも、当初計画に対しては1年遅れ)
  • 介護:×(紹介予定派遣は、拡大が見込めず期中で戦略変更。)
  • スタートアップ人材支援:〇(過年度決算訂正はあったものの好調に推移)
(利益最大化領域)
  • 国内Working事業:×(感染症拡大の影響もあったものの、既存顧客からのオーダー数減少、採用人数の減少で、稼働人数数が減少。また粗利率の低下により、営業利益率は低下。)
  • 海外Working事業:〇(ポストコロナの急激な人材紹介需要は一巡したものの、為替影響を除いても、ベースは着実にUP)
戦略Ⅱ デジタルシフトによる生産性の改善
  • デジタルシフトにより、1人当たり生産性を高める。
×
  • WILLOFスマホアプリの機能の強化(申請のオンライン化等)、建設技術者領域の基幹システム(派遣管理)を既存システムに統合を進めるも、1人当たりの生産性改善にまでつながらず。
戦略Ⅲ デジタルシフトによる生産性の改善
  • 在日外国人向けサービスの拡大。
  • IT人材サービスの拡大。
  • HRTechは、主軸事業周辺領域での展開探索。
×
  • 2022年5月に技能実習生、特定技能外国人の来日再開するも、在日外国人向けサービスは、当初の想定を下回る。
  • IT人材サービスは、派遣・紹介とも着実に増加。
  • 既存のHRTechプロダクツ(ビザマネ、外国人ライフサポートサービス)は2023年3月に撤退。建設技術者領域でのサービス等、プロダクト開発中。
戦略Ⅳ 財務戦略
  • 親会社所有者帰属持分比率:20%以上
  • ROIC:20%以上(資本コストは10%程度)
  • 総還元性向:30%以上
  • 親会社所有者帰属持分比率は、2023年3月末時点で26.6%。
  • ROICは16.6%。営業利益の目標未達により未達。
  • 23.3期の総還元性向:31.2%。

セグメント別売上収益・営業利益推移

中期経営計画「WILL-being 2026」への継続課題

営業利益率が依然として3%台で横ばい、国内Working事業の主力領域(セールス・コールセンター・ファクトリー)における採用環境の悪化、介護領域における紹介予定派遣の戦略転換等による国内Working事業の成長停滞等、本中期経営計画への継続課題として整理しました。

課題
共通 営業利益率が依然として3%台で横ばい。
(営業利益率 20.3期: 3.4%→23.3期: 3.7%)
国内Working事業 建設技術者領域は、採用が想定通り進まず、計画が1年遅延。
国内Working事業の主力領域 (セールス、コールセンター、ファクトリー)において、採用環境悪化。
介護の紹介予定派遣を戦略転換したことから、成長ドライバー減少。
国内において、採用環境は将来的に更に悪化。
財務の安定性を重視したことで、M&Aを行わなかったこともあり、直近3年間の成長が停滞。
海外Working事業 海外Working事業の成長をさらに加速。