2025年3月期の取り組み
国内Working事業の再成長に向け、建設技術者領域の拡大、正社員派遣及び外国人雇用支援の拡大に取り組む。
今後の見通しについては、国内及び海外経済は緩やかに成長していく一方で、世界的な物価上昇や引き締め的な金融政策運営の長期化リスク、ウクライナや中東情勢等の地政学リスクなど、先行き不透明な状況です。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、コロナ禍の大規模な景気刺激策実施後のインフレや金利上昇等の景況感の悪化に加えて、コロナ後に急激に採用を増やした企業で人員過剰の状態になっており、こうした顧客が採用を抑制する動きが長期化することが懸念されます。
このような状況の下、国内Working事業では、本中計の重点戦略として掲げている、建設技術者領域の拡大、外国人雇用支援、正社員派遣の拡大に取り組みます。建設技術者領域の拡大は、未経験者の採用をさらに強化するとともに、定着率の維持・改善に向けた取り組み、契約単価上昇に向けた取り組みを実施します。
正社員派遣の拡大については、採用環境の厳しさを踏まえ、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションの継続など採用力の強化施策を実施し、稼働人数の維持・拡大に取り組みます。外国人雇用支援については、引き続きファクトリーアウトソーシング領域、介護領域において顧客からの受注及び現地での採用を拡大していきます。2025年3月期は本中計シナリオ実現のために、建設技術者の採用、営業人員の採用等の先行投資を実施する予定です。
海外Working事業では、各国経済の下振れリスクと人材派遣、人材紹介ともに低調な市況が長期化する懸念がある状況においても、優秀なコンサルタント人員の確保など、事業価値を毀損しない範囲での戦略的なコストマネジメントを実施し、人材紹介、人材派遣ともに需要回復後の拡大に備える取り組みをしていきます。
なお、当連結会計年度の営業利益には一過性の子会社株式売却益2,063百万円が含まれるほか、当該子会社の売上収益3,420百万円(当期実績)、営業利益543百万円(当期実績)がはく落する影響があります。
これらにより、2025年3月期の通期連結業績予想は、売上収益140,400百万円(当連結会計年度比1.6%増)、営業利益2,290百万円(同49.4%減)、税引前利益2,190百万円(同50.4%減)、当期利益1,640百万円(同43.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,640百万円(同41.0%減)、EBITDAは4,232百万円(同37.9%減)を見込んでいます。上記の当連結会計年度に含まれる一過性の利益等を除外した場合の対前期増減率は、売上収益で4.1%増、営業利益で19.4%増です。なお、業績予想で前提としている為替レートは、1シンガポールドル104円(前期は94円)、1オーストラリアドル91円(前期は86円)です。
2025年3月期の配当予想につきましては、株主還元方針(累進配当かつ総還元性向30%以上)に基づき、1株につき44円(普通配当44円)とし、この場合の総還元性向は、61.7%となります。